アプリレビュー
■マリオランはどうして失敗した?
  アプリで収益を上げる5つの方法

マリオランとアプリ収益の話

話題のマリオランがiosでリリースされました。
しかし全ステージ遊ぶには1200円の課金が必要……ということでその辺りが物議を醸してますね。
マリオランに関しては特にアンテナ張ってたわけでもないですが、1200円払わないと全ステージ遊べないっていう情報に後出し感があって、その辺りが問題なんじゃないかと思ってます。
最初から、1200円ですよ! 無料で遊べるのはちょっとですよ! ってアピールしておけばそんなに問題にはならなかったんじゃないかな。

……と、アプリ界隈にこれから殴り込みをかけていきたい身としては、その辺り気を付けていきたいなあと思う次第。
アプリゲームの場合、面白いものを作るっていうのはもちろんだけど、どうやって売っていくか=収益を上げていくかも考えていかなければならないのが大変なところです。
課金にせよ広告にせよ、工夫してやらなければなりません。
というわけで、せっかくの機会なのでアプリで収益を上げることについての話を書いていこうかと思います。



アプリで収益を出す方法はいくつかあります。
今回は代表的な方法5つ挙げてみました。
それらを1つ1つ見ていって、メリット、デメリットなんかをまとめてみます。
僕も今作ってるアプリ第一弾(仮)は収益化については考えていまして、僕がどんな方法を選ぶのかという辺りも交えながら。

1.有料販売


これはもう分かりやすく、最初にお金を支払う買い切りタイプです。
昔ながらのゲーム販売方法で一度お金を払ったらそれきりという安心安全仕様。
例を挙げると、ファイナルファンタジーシリーズの移植作やパチスロの移植なんかがよくランキング上位に見られますね。
相場的には1000円~2000円くらいでしょうか。
アプリ界隈で見れば高価ではありますが、家庭用ゲームとして見たらだいぶ安いです。
ただこの有料販売は個人でやるのはなかなか難しく、ある程度知名度が高くないと厳しいんじゃないかと思ってます。
個人や小規模開発のアプリで数100円程度で販売してるものがランキング上位に出て来たりすることもありますが、だいぶ稀ですね。
無名の開発者が売れようと思ったら、よほど紹介の段階で面白そうと思ってもらえないと厳しいんじゃないかと思います。
というわけで、僕はこの方法は取りません。
ちょっと試してみたい気持ちはありますが、それはまた機会があればで。

メリット……販売方法が分かりやすく、ユーザーからの不満は少ない。個人でもやること自体は簡単
デメリット……知名度が高い、あるいはよほど事前情報で面白そうと思ってもらえないと売れない



2.コンテンツ課金タイプ


有料販売に似ていますが、こちらはダウンロード後にコンテンツに対して課金していくものです。
ダウンロード自体は無料、あるいは数百円程度の安価なものがほとんど。
例を挙げると、逆転裁判やゴーストトリック、最近だと女性向けのゲーム、囚われのパルマなんかがそうですね。
価格は様々ですが、100円~400円程度をバラ売りしてることが多いようです。
このコンテンツ課金タイプは有料販売と違って、お金を払う前にある程度遊んで雰囲気を掴むことが出来るというのが特徴です。
無料で遊べる分までやってみて、気に入ったら購入できるので、ユーザーも安心。
……と言いたいところですが、今まさにその辺りがマリオランで問題になってますね。
僕が思うに、マリオランの場合は1200円払わないと全ステージ遊べないという情報に後出し感があるのが問題なんじゃないかと思ってます。
ストアの紹介でも無料で遊べるのは少しだけというのをしっかりアピールしておけば、ここまで文句も出なかったんじゃなかろうか、と。
もしこのコンテンツ課金タイプでアプリを売りにいくとしたら、その辺りもしっかり考慮しておいた方が良さそうです。

さて、個人製作でこの方法を取るとしたらどうかというところですが……これは案外アリだと思ってます。
無名作者のゲームでも触り部分が無料ならとりあえずやってみようと思ってもらいやすいかと。
ちゃんと内容が面白くないとコンテンツ課金してもらうのは難しいと思いますが。
僕は今作ってるアプリではこの方法は取らないですが、可能性は感じるところなのでいつかやってみたいです。

メリット……ダウンロード無料なので敷居が低い
デメリット……無料でどこまで遊べるのかをきちんと明記しないと問題になる。個人製作だと実装が難しめ?



3.アイテム課金タイプ


一般的にソシャゲと言われる類のゲームに採用されてる収益方法ですね。
ゲームのコンテニューに必要だったり、ガチャを回すのに必要なアイテムをプレイヤーが課金して購入するというものです。
特にガチャなんかはレアキャラ目当てにハマる人も多く、収益面に関してはえげつない効果があります。
実際、トップセールの上位はほぼソシャゲで埋まってます。
タイトルを上げると僕もハマってるパズドラをはじめ、モンスト、FGO、グラブル……などなど。
価格はガチャ1回で500円程度……これを複数回やるわけですから、上2つの収益方法をぶっちぎるのも当然の結果ですね。

この収益方法を個人でやることを考えるとなかなか厳しい気もしてます。
ガチャを引いてもらうにはゲーム自体一定のクオリティがないと厳しいですし、イラストなんかもしっかりしてないとお金出してまで手に入れたいと思ってもらえません。
個人でもイラストを発注すれば可能かもしれませんが、その費用を回収できるかはゲーム内容を相当頑張らないと難しそうです。
というわけで僕はこの収益方法は取りません。
まあ、ガチャに限らず別の方向性でアイテム課金というのはアリかなという気がしてますが、やはりそれでも課金してもらうというハードルを越えるのはなかなか厳しい気がしてます。

メリット……上手くいけばえげつない収益が出る
デメリット……課金してもらうためのハードルが高い



4.広告(静止画タイプ)


無料アプリではよく見かけるビジネスモデル。広告です。
画面の隅っこに常に表示されるバナータイプやゲームの合間に大きく表示されるものなどいろいろありますね。
カジュアルゲームなんかに多く見られます。
個人開発では特に相性がよく、プレイヤーさんにお金を払ってもらうわけでもなく、気軽に導入し易いのが特徴でしょうか。
収益面ではそれほど大きな効果はなさそうですが、塵も積もれば山となる、プレイヤーが多ければ効果は高そうです。
広告1クリックあたりの単価は1~3円ほど。(良い時はもっと高いという情報も)

というわけで、僕はこの収益方法は導入してみるつもりでいます。
ただ気を付けたいのは、誤タップを誘導するような配置はしないようにするというところ。
興味を持って広告をタップしてもらうならいいですが、誘導されてタップして別画面に飛ばされるのはなかなかのストレスです。
一時的な収益は上げられるかもしれませんが、長期的に見てプレイヤーを減らすことにもなりかねないので、僕は誤タップを誘導するような広告を貼るのはよろしくないと思ってます。

それから、それにプラスして広告消しのアドオン購入も考えてます。
要は課金で広告を消せるようにするものですね。
『ひとりぼっち惑星』でも導入されてるシステムで、240円払うだけでゲーム内の広告が全て消えます。
作者のところにょりさんのインタビューでも仰ってましたが、広告が多くてうざいゲームでも課金で広告を消せる場合は不満が起きにくいとのことで。
僕もなるほど、そう思います。
購入してくれるのはゲームを気に入ってくれた人だと思いますし、むしろお金を払いたいっていうプレイヤーさんも一定いると思うので、これは良いやり方だなあと。

メリット……導入し易く、個人開発者と相性が良い
デメリット……デザイン面を損なう可能性がある。多すぎると嫌われる



5.広告(動画リワードタイプ)


はい、前回で静止画とわざわざ書いたからには動画の方もあるということで、動画広告の話です。
動画はいいとして、リワードとはなんぞやということですが、これは動画広告を見ることでゲーム内でなんらかのご褒美がもらえるというものです。
例えば、ステージクリア後に動画広告を見ることで、クリア報酬が倍になるというような感じですね。
『TIME LOCKER』のように動画視聴でコンテニューできるというタイプのものもあります。
高い広告効果と収益性で今最もホットな収益スタイルと言われています。
基本的にはプレイヤーが動画を視聴するか選択できるため、不満が起きにくいのが特徴です。
動画再生1回あたりの単価は1~3円ほど。(その他条件により異なるようです)

僕はこちらの収益スタイルも導入してみるつもりでいます。
どういう形で取り入れるか、ゲームバランスに直結して来るところなので、そこら辺は十分にバランスを考えてやってみようかと。
動画広告による報酬が大きすぎてしまうと、動画広告を見るためにプレイしてるかのようになってしまうので、そこは注意ですね。
回数制限を設定してるアプリゲームも多く見られるので、上手いやり方を考えていきたいものです。

メリット……プレイヤーにも報酬を与えることで広告を見てもらいやすい
デメリット……多すぎると動画を見るためにゲームをやってるかのように見えてしまう



まとめ


以上、5つの収益方法をざ~っとですが、自分なりに考察してみました。
今作ってるアプリ第一弾で取り入れて見るのは、バナー広告(+広告消し課金)と動画リワードです。
正直、どれほど上手くいくかはわからないですが、とにかくやってみてどんなものかを掴んでみようかと思います。

最後に。これは大事なことですが、ゲームとは遊びであり、ゲーム制作者は遊びを提供する人です。
ゲームで楽しんでもらって、その見返りとして収益を得るのです。
それを忘れてはいけないなと思いながら、今回のコラムを締めます。

あとは実戦あるのみ、がんばっていきましょい。



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