■SRCで戦闘パートを作る時に意識している事(リクエスト者:フォルさん)
|
SRC界の重鎮より
SRCでも古くから活躍されてるフォルさん※1から、リクエストをいただきました。
うちのシナリオ、特にエンドレスコミュニケーション※2なんかは凄く気に入ってもらえてたようで、今回のお題も、戦闘絡みです。
戦闘関係は一応、自分の得意分野ということなのでいろいろ書いてみたいと思います。
※1 うちと日記を付け始めたのがほんの数か月違いだったり、なにかと縁のある方
※2 パン制作の長編オリロボシナリオ。過去グランプリで戦闘部門V2を達成
プレイヤーは面倒臭がり屋であるということ
まず前提として、プレイヤーは面倒臭いことを嫌います。
プレイヤーという以前に、誰しも面倒なものは嫌いかと思いますが。
作者自身が自分で作ったものをテストプレイして、面倒臭いと感じたらアウトですね。
面倒臭いと感じるかどうかは十人十色なので、なかなか難しいところですが。
少なくとも、十分なゲームの情報を知っている作者より、何も知らないプレイヤーの方がプレイの負担が大きいのは間違いないです。
プレイヤーの負担を考えずに戦闘を設計してしまい、“面倒くさい”と感じさせてしまったら最後、悲しいかな×ボタンを押されてゲームを終了されてしまいます。
SRCシナリオでも、せっかくストーリーや演出が素晴らしいのに、戦闘の面倒さで損をしてるものが多いんじゃないかと思えて、勿体ないと感じるところです。
面倒臭くない戦闘とは?
第一に、情報量が多くない、という点にあると思います。
味方や敵の種類や数が多く、更に武器や特殊能力を沢山持っていたり、ゲームとしての情報量が膨大だったりすると、それだけで把握するのが大変です。
酷い場合、この情報の洪水を見ただけで×ボタンを押してしまう人もいるかもしれません。
対策としては、一度に多くの味方や敵を出さない。
武器や特殊能力もそれが本当にゲームとしての面白さに貢献しているものなのか、役割を統合させることができないか、など見直してみるのもいいと思います。
第二に、難し過ぎない、ことです。
単純な話、高難易度の戦闘というのは勝ちのパターンを探すのに時間がかかります。
適当にプレイしてもクリアできるような難易度であれば、情報量が膨大だとしてもなんとかなるものですが、難しい上に情報量が多かったりすると非常に面倒臭いです。
それから、難しくはないのに敵の耐久力が高くて、無駄に時間だけがかかるというのも困りものかと。
絶妙な難易度
難しいという感覚を計るのはとても難しいです。
というのも、まず前提として、ゲームの情報を把握する能力がプレイヤーごとに大分違うというのがあります。
『このユニットでこういう戦い方をすれば効率がいい』というパターンをすぐに見つけ出せる人もいれば、全く見当違いな運用方法をする人もいたりと。
僕も長いことSRCに携わってますが、この難易度感覚というのはホントに十人十色で振れ幅が広いと感じます。
難易度調整についてはもう口でどうこう説明できるものでなく、経験と勘の世界ですね。
まず制作者である自分自身のプレイレベルはどうなのか、世に出てるシナリオプレイの結果で他人とどれほどのレベル差があるか、過去に自分が作ったシナリオの難易度の評価はどうだったか、などが判断材料になると思います。
難易度調整が上手くいかない場合
バランスに自信がなければ、簡単にしておくのが無難だと思います。
難しいと先に進めなくなってしまう恐れがありますが、簡単であればとりあえずプレイすることはできます。
そして、最後に奥義を1つ。
それは出来上がったものを他人に見てもらうことです。
できれば、どの程度のプレイレベルなのかを分かってる相手が望ましいです。
しょっちゅう「難しくてクリアできなかった」とシナリオプレイを断念してる方にプレイしてもらって、しっかりクリアできればかなり安心できると思います。
ゲームの情報を全部知ってる作者だけでテストプレイを繰り返すのには限界があります。
慣れていくうちにどんどん効率の良い戦いを発見していって、ますます簡単になっていきます。
そんなに難しくしたつもりじゃないのに難しいという意見をもらう方はここら辺に嵌ってしまってるんじゃないかと感じるところです。
まとめ
最後に今まで言ったことを全否定しちゃうかもしれませんが、情報量が多くて高難易度で面倒臭い戦闘が好きという方もいると思います。
ただ、それはほんの少数派だと思うので、そういう方を基準にバランスを練ってしまうと一般受けし難くなる可能性が高いです。
僕の経験から見た一般的なプレイヤー像は、「適当に一通りプレイできればいいや」くらいの感じです。
いくらでも面白いゲームがごろごろ転がってるこの界隈、プレイヤーの移り変わりも激しく、面倒と思われたら即サヨウナラです。
なんだか「こうしちゃだめ」という受け身的な内容ばかりになってしまった気がしますが、僕が戦闘関係で意識してるのはその辺りですね。
面白くするにはどうしたらいいかなどは、またの機会に書けたらいいなと思ってます。
|
|