■ 創作論 ■

■全てのシーンはクライマックスのために

『7th day』制作裏話

今回はこのコーナーの趣旨とは少しずれますが、作例である『7th day』の制作裏話なんかをお話したいと思います。
このシナリオは少々特殊な形式での公開になっていまして、学園コンペというSRCのシェアードワールド企画のコンペシナリオの1つとして投稿させてもらったものになります。
このシナリオを作ろうと思った当時は正直SRC学園にはそれほど関心がありませんでした。
そんな中、なぜコンペにシナリオを投稿したかと言いますと、それはアンケートでシナリオの評価をしてもらえるからです。
この頃、ちょうど自分のストーリー作りに自信をなくしてる状態だったので、ここで1つなにか作って投稿してみようと思い立ち、投稿させてもらいました。
同じお題にそって同じ決められた期間内にシナリオを作るというこのコンペ企画、今はもうやってないみたいでちょっと残念なところです。

クライマックスを考える

では具体的に『7th day』のストーリーをどのように考えていったかお話したいと思います。
まず、最初に考えたのは『7th day』の舞台設定で、時間が止まった世界からの脱出というものでした。
つまり、最終的に時間を操る犯人をどうにかして倒さないとなりません。
時間を操る相手に勝つにはどうするかと考えた結果、やはり奇襲が一番だと思いその線で考えました。
奇襲と言えばトラップ……トラップと言えば、上からなにかを落下させる……。
という風に連想していき、シャンデリアの落下で勝利するという発想に辿り着きました。
それと同時にドアに黒板消しを挟むイタズラを連想していて、これも絡められたら面白そうだなと思って、犯人にイジメられていたという要素を加えたわけです。
こうして、起承転結の重要な部分である、転の要素をそろえました。

結に至るまでの伏線

シャンデリアを落下させて犯人を倒すと決まりましたが、次はどうやってそういう状況を作り出すかです。
SRC学園は超能力者のような特殊な力を持ったキャラの集まりです。
この学園キャラの能力を片っ端から眺めていき、今回のシチュエーションに使えそうなキャラを探していきました。
まず目に留まったのは、空中に好きなものを描いて実体化できるペンを持つキャラです。
これで犯人に主人公自身がそこにいると思わせて囮にさせました。
次に拡声器を持つキャラを出して声の問題をクリア。
最後はこれは単に自分のアイコンのキャラだからという理由もありますが、シャンデリアを落下させるためのハサミを持つキャラを出演させました。
もちろん、これらの能力は結に至るまで事前に披露しており、どういうものかを晒してあります。

クライマックスを見据える

この他、親友の体を張った仕掛けや過去のイジメなど結に必要な要素を事前に仕込んでいきました。
このシナリオに関して言えば、全てのシーンはクライマックスを盛り上げるために存在していたものと言って過言はないです。
次々になすすべもなく死んでいく友人達と彼女達が残していった特殊なアイテムなど、全てクライマックスに必要な要素です。
例えば、友人が誰1人死ぬことなく、特に困った状況にならなければ緊張感はなかったでしょうし、特殊アイテムが唐突に出てきたりしたら興ざめというもの。
伏線は効果的に事前に仕込んでいき、きちんと消化させてやることが大切です。

まとめ

ストーリーの書き方などの教本を開くと、大抵クライマックスを見据えて考えるべきという内容が書かれています。
それも納得で、やはり最後にどうなるかという結末が決まっていれば、あとはそれに至るまでの道のりを考えてやればいいことなので、やり方としては楽です。
むしろ、次の展開が決まらない限りは事前に伏線を仕込むということもできませんからね。

次項ではさらに踏み込んで、プレイヤー心理についてお話していきます。

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