■ 創作論 ■

■受け手側としての感想の書き方について

受け手側としての感想

以前に作者側からして感想をどう受け取るべきかというお話をしましたが、今回は受けて側として感想を書く際の心構えのようなものを書いてみようと思います。
もはや創作論と関係ないような話題ですが、創作の世界に身を置く人であれば、自らも他の方の作品の感想を書く機会もあるでしょう。
僕も10年以上創作に携わって、感想を書かれる側も、感想を書く側の立場もずいぶん経験してきました。
SRC界隈のことですが、今年の年始辺りの早々に他の方のシナリオの感想を書いた内容がきっかけにトラブルがあったりしました。
どうすればこのようなことにならなかったのか、その辺りも含めて考えてみようと思います。

作者は感想に飢えている

まず前提として、SRCなど小規模なコミュニティであれば、ブログ、ツイッター、etc、どんな場所で作品の感想を書いたとしても、それは作者の目に触れる可能性が高いです。
こんなところどうせ作者も見てないだろうと思われるかもしれませんが、それは見られているものと思った方がいいです。
フリーで作品を公開している作者は大抵受けて側からの反響を求めているので、感想に対しては常に目を光らせているものです。
ブログやツイッターなどでは検索で大抵引っかかりますし、すぐに見つからないにしても、あとあとになって見つけられることもあります。
ですので、まずは前提としてどんな場所だとしても、作者さんに見られているということを意識して感想を書くとよろしいのではないかと思います。

感想なんだから自由に書けばいいのでは?

なんで感想を書くのにいちいち気を使わなければならないのかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
個人の感想なんだから自由に書いて当然というのも一つの答えですが、僕は「それは違う」と主張したいところです。
例えば、大人の男性でハゲを隠すためにカツラをかぶってる人がいたとします。
その人のカツラがズレてとても笑える状態になっています。
そこで素直に「あははは! カツラずれてるよ! おっかしい!」なんて小学生並の感想を口にできるでしょうか?
作品の感想もそれに近いところがあると思います。
直すべき欠点を見つけたり、ただ単純につまらないと思ったとしても、それは慎重に口にすべきです。
作品の欠点を挙げるのはカツラのズレを指摘するのと同じようなものだと思ってください。
本人は至って真面目にやってることです。おかしいだなんて思っていません。
そこを無遠慮にずけずけ言ってしまうのは、本人のプライドを傷つける結果になります。
かと言ってカツラがズレたままなのを放置しておくもよろしくありません。
プライドを傷つけないように遠まわしに気を遣いながら伝えることができればベストだと思います。
そこが感想を書く上で難しいところですね。

誰もが技術の向上を目指しているわけではない

僕個人の感想の書き方ですが、僕は基本的に面白かったと思うところを中心に書いています。
趣味の創作はあくまで趣味でやってることですから、ここをこうした方がいい、ああした方がいいとあれこれ指摘するのは野暮だと思っているからです。
明らかに直した方がいいと思うところや、ここはこうした方が面白くなりそうというようなことはなんかは言ったりすることもありますが。
趣味で創作している方は大抵、それなりに楽しく作って、それなりに楽しんでもらえればいいくらいのノリでやってると思います。
プロを目指してる方なんかは別だと思いますが。
基本的にはそれなりに楽しくだと思うので、それに合わせた感想を書ければいいのではと考えています。

感想=難しい

ここまでいろいろお話してきましたが、正直こんなに面倒臭いなら感想書きたくないと思われるかもしれません。
そもそも感想を書くことに苦手意識のある方もいらっしゃると思います。
いろいろ気を遣いながら感想を書くのは面倒で難しいところがあるのは確かです。
ですが、以前の作者側の感想の受け取り方のついてでもお話しました通り、作者のパワーの源は感想です。
頑張って作品を公開しても誰も感想を書かなくなったとしたら、作品を公開しようと思わなくなってしまいます。
感想を書くのが苦手だ、という方は最低限以下のことに気を付けて書いてみてはどうでしょうか。

・ブログでもツイッターでも作者さん本人に言っているつもりで書く
・面白かったことを中心に書く
・ここはこうした方がいいなどの指摘は慎重に書く

これはほぼ僕が普段感想を書く時に気を付けているところです。
10年以上このスタンスで書いていますが、今のところトラブルのようなことは起きていません。
ただ、僕が面白かったことを中心に書くのは欠点を指摘するのが面倒という裏返しでもあるのが事実です。
中には細かいところでもこうした方がいいよ、とガンガン突っ込んで欲しいという作者さんもいます。
そういう方には僕はあまりお役に立ててないですね。
相手がそういう厳しい意見を求めているとわかってるのであれば、どんどん言ってあげると良いと思います。
それでももちろん最低限の礼儀は忘れてはいけませんが。

まとめ

繰り返しになりますが、作者のパワーの源は感想です。
コミュニティで感想を書く人がいなくなれば、それはパワーを失ったコミュニティになってしまいます。
需要がなくなれば廃れてしまうのは、それはそれで仕方のないことですが、寂しいものです。
作者として楽しく作品を作り、受けて側として楽しかったと感想を書く、あるいはここはこうした方がいいとやさしく指摘する。
そんなどちらも気持ちのよい感想が交わされたら理想なのではないかと思います。


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